「育休? うちは無理だと思う」
仕事が忙しい。
自分が抜けたら、同僚に迷惑がかかる。
給料が減るのも怖い。
分かる。
仕事を投げ出せばいい、なんて簡単な話じゃない。
でも、一つだけ聞かせてくれ。
お前、その「無理」を決める前に、制度を調べたか?
上司に言いづらい。それと、制度がないのは別だ
「男で育休を取った人、うちの部署にいないんだよ」
そういう職場もあるだろう。
前例がないと、相談するだけでも勇気がいる。
でも、前例がないことと、利用できる制度がないことは同じじゃない。
日本には、一定の要件を満たす労働者が申し出て取得できる育児休業制度がある。
出産直後には、通常の育児休業とは別に「産後パパ育休(出生時育児休業)」という制度もある。
産後パパ育休は、原則として子どもが生まれてから8週間以内に、通算4週間まで、2回に分けて取得できる仕組みだ。
もちろん、雇用形態や契約、労使協定などによって対象条件は確認が必要だ。
だから「取れるはず」と決めつけるんじゃない。「自分はどうなのか」を確認しろ。
「育休を取ったら給料ゼロ」も、確認してから言え
家計が心配なのは当然だ。
住宅ローンも、生活費も、子どものための出費もある。
休業中に会社から給与が出るかどうかは、勤務先の扱いによって違う。
一方で、雇用保険の要件を満たせば、育児休業給付金などの対象になる場合がある。
2025年4月からは、一定の条件を満たす場合に上乗せされる「出生後休業支援給付金」も始まっている。
ただし、誰でも必ず同じ金額をもらえるわけじゃない。
給付の対象条件、支給額、入金のタイミングは確認が必要だ。
「何となく減りそう」で諦めるのも、「実質100%らしい」で家計を組むのも、どちらも危うい。
数字は、公式情報と勤務先への確認で埋めよう。
仕事が回らないなら、そこも段取りしよう
休む間、誰が担当するのか。
締め切りはどうするのか。
引き継ぎに何日必要なのか。
ここは現実の問題だ。
だからこそ、出産直前まで黙っているより、早めに相談した方が準備できる。
例えば、担当業務を一覧にする。止められない仕事と、時期をずらせる仕事を分ける。引き継ぎ先と必要な資料を整理する。
全部をお前一人で解決する必要はない。
でも、「俺がいないと回らない」で話を終わらせず、どうすれば回せるかを職場と考える余地はある。
制度の申出には期限もある。相談と正式な申出は別なので、手続きの締め切りも先に確かめておこう。
会社に聞くことは、四つでいい
最初から完璧な計画書はいらない。
人事や労務の担当者に、まずこれを確認しよう。
一つ目。自分が利用できる制度は何か。
通常の育児休業、産後パパ育休、それぞれの対象条件を聞く。
二つ目。いつまでに、何を申し出る必要があるか。
申請書類、申出期限、分割して取る場合の手続きも確認する。
三つ目。休業中のお金はどうなるか。
会社の給与、雇用保険の給付、社会保険料の扱い、入金の見込みを分けて聞く。
四つ目。仕事の引き継ぎをどう進めるか。
誰と、いつから調整すればいいかを確認する。
答えがすぐ出なくてもいい。
「確認中」が何なのか分かれば、次に動ける。
取るかどうかは、二人で決めていい
ここまで読んだからって、全員が同じ長さの育休を取るべきだとは言わない。
働き方も、家計も、家庭の事情も違う。
取れる期間が短いかもしれない。
別の休暇や勤務調整を組み合わせる方が現実的な場合もある。
ただ、その判断を「会社が忙しいから」で一人で終わらせないでほしい。
出産直後、妻はどんな助けを必要としているか。
赤ちゃんの世話や家事を、誰がどの時間に担当するか。
夫婦で話す材料として、まず自分の職場の情報を持ち帰ろう。
制度を調べるのは、育休を取ると決めることじゃない。家族が選べる状態を作ることだ。
パパになるお前らへ
「うちは無理」
その一言には、本当の事情があるかもしれない。
だから、無理に格好をつけなくていい。
でも、まだ確認していないことまで「無理」に入れるな。
お前の仕事のことは、お前が調べられる。
家族のことは、二人で決められる。
育休を取るかどうかを決める前に、取れる条件を調べろ。
今週やること
今週、人事・労務の担当者に連絡しろ。
「子どもが生まれる予定です。育休と産後パパ育休について、対象条件・申出期限・給付・分割取得の手続きを教えてください」
これだけでいい。
返事が来たら、妻と10分話す。
取るか、取らないか。
いつ、どれくらい必要か。
結論は、そのあとでいい。
「うちは育休無理」を、調べる前の答えにするな。